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- 2022/04/09
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本日は「契約不適合責任」についてです。
令和2年4月1日の民法改正(債権法改正)で,「瑕疵担保責任」が「契約不適合責任」へと変更されました。まずは瑕疵担保責任についてお話します。
瑕疵担保責任とは
そもそも瑕疵とは、「通常すべき品質・性能を有しないこと」を指します。
不動産(住宅)における瑕疵としては、例えば家の中にいれば雨を防げるという性能があるのは当たり前のことと想像しますが、何らかの欠陥により雨漏れしてしまうような状況を瑕疵があると表現します。
瑕疵は大きく以下の4つに分類することができます。
- 物理的瑕疵…雨漏りやシロアリ被害、給排水管の故障など
- 法律的瑕疵…都市計画法や建築基準法など法律による制限により建物が建てられないなど
- 心理的瑕疵…過去に事件や事故が起こっていたなど
- 環境的瑕疵…暴力団施設やゴミ処理施設、火葬場、カルト宗教施設が周辺にあるなど
なお、不動産取引における瑕疵担保責任では、瑕疵が隠れている必要がありました。
つまり、取引時点で「通常の注意を払っても発見できない」瑕疵があった場合に売主が買主に瑕疵担保責任を負うこととされており、注意すれば分かるような瑕疵や、取引前に売主から買主に伝えた瑕疵については瑕疵担保責任を追及されないことになります。
「瑕疵担保責任」では、瑕疵が発見されたとき、買主は「発見後1年間」は売主に対し「損害賠償」を、契約の目的の達成できない場合は「契約解除」ができると定めています。
次に「瑕疵担保責任」と「契約不適合責任」の変更点をお伝えします。
「瑕疵担保責任」では、買主が売主に対して請求できる権利は、「損害賠償請求」と「契約解除」の2つに限られていましたが、「契約不適合責任」では、売主の認識がどのようなものであったかにかかわらず、契約内容に合致しない場合に権利が発生します。
「瑕疵担保責任」では、売主に対して、買主は「損害賠償請求」または「契約の解除」の2つの主張ができるというものでしたが、「契約不適合責任」を負う売主に対しては、買主は「損害賠償」「契約解除」2つに加え、「追完請求」と「代金減額請求」を行えるようになりました。
①追完請求
追完請求とは、改めて完全な給付を請求することを指します。
種類や品質または数量が契約内容と異なっていれば、追完請求により完全なものを求めることができます。
不動産の場合には、世の中に1つしかない特定物であるため、不動産に認められる追完請求は、言い換えると「修補請求(直してくださいという請求)」ということになります。
契約不適合責任の追完請求は、あくまでも契約内容と異なる場合には契約内容通りに直すということを意味しています。
②代金減額請求権
代金減額請求権とは、追完請求の修補請求をしても売主が修補しないとき、あるいは修補が不能であるときについて認められる権利です。
代金減額請求は、まず「買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないとき」に認められます。
一方で、明らかに直せないもの等、履行の追完が不能であるときは、買主は直ちに代金の減額請求ができることも規定されています。
新しく買主が要求できる権利が2つも加わったことから、売主の責任は格段に重くなっているといえます。
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