【奈良市】隣の土地の木が育ちすぎて、越境をされている
- 新着情報
- 2024/01/31
奈良県の不動産も買取りしております☆
【奈良県】
生駒市、奈良市、大和郡山市、香芝市、天理市、橿原市・・・など
雨漏りしている空家、前の道が狭い建物、長屋になっている実家など
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マイダスの堅本(かたもと)です。
先日奈良県奈良市の物件の査定にお伺いさせていただきました。
物件自体は築年数相応の建物で、特筆すべきところはなかったのですが・・・
【隣の土地のある樹木の枝の越境がスゴイ!】
家と家の間に少し人が入れたり、何かあった際に、足場を建てて外壁の修繕などが出来るようスペースがあったのですが、その土地に樹木(木の表現ではなく立派な樹木という印象)が立っており、すごい量の枝が越境してきていました。
調査してみると、どうやら土地の所有者があまり把握しておらず、樹木を植えたのも別の方だったようです。
土地所有者に依頼して伐採の約束をいただき事なきを得ました。
2023年に民法の改正により、隣地からの植栽(枝)の越境物の切除に関するルールが変更になりましたが、隣地所有者と連絡を取り、トラブルになる前に対応いただくのが一番ですね。
隣地のトラブルや、越境の問題などを抱えている物件でもご対応させていただきます。
お困りの方はぜひ一度ご連絡ください。
担当:堅本(かたもと)
~☆~☆~本日のコラム~☆~☆~
【植栽の越境】
2023年4月1日から施行された民法改正により、隣地の植栽が越境する場合、一定の条件を満たすと、越境されている側の土地の所有者が自ら越境している枝の切除をする権利が与えられました。これまでは、植栽の根については「切り取ることができる」とされている一方、植栽の枝については、「竹木の所有者に、その枝を切除させることができる」となっており、越境した植栽の所有者が切除をしてくれない場合には、その所有者に対して訴えを起こして切除を命ずる判決を得て強制執行の手続きをとる必要がありました。この民法改正により、隣地所有者に切り取ってもらう等をしなければならなかった状況が変わり、自身の土地の利益を守る手段が広がりました。
【民法改正のポイント】
・改正の背景と趣旨:令和5年の改正では、隣地の植栽が越境した場合、所有者が一定の条件を満たせば、自ら切り取ることができるようになりました。裁判手続きの煩雑さや費用が課題であったため、利害関係者の利益を守る手段を強化するためのものと考えられます。
・切り取り可能な条件:越境した土地の所有者が枝を切り取ることができる条件は、以下の3つです。
①越境した枝を切除するよう竹木の所有者に催告したが、相当の期間内に切除しない場合
②竹木の所有者を知ることができず、または所在を知ることができない場合
③急迫の事情がある場合(例: 台風などで建物に危険が及ぶ場合)
【具体的な手続きと注意点】
・催告期間と方法:催告を行う場合、相手が切除しない場合の「相当の期間」は、事案により異なりますが、基本的には2週間程度と考えられます。催告の際は、内容証明郵便などを使用して証拠を残すことが望ましいです。
・切除費用の請求:越境した植栽の切除にかかる費用は、通常、所有者に請求できます。特に、植栽の所有者が切除の義務を怠った場合や、土地所有権が侵害された場合には、切除費用の請求が可能です。ただし、回収が難しい場合もあるため、事前に植栽の所有者との合意を得ることが重要です。
・切り取った植栽の処理:切り取った植栽の所有権は、植栽が越境した土地の所有者に帰属します。これにより、植栽の所有者は、自由に処分できます。
・隣地への立ち入り:越境した枝を切り取るのに必要な範囲で、隣地を使用することができますが、どのような場合にでも立入りができるものではありません。越境している枝を切るために必要な範囲内で、かつ、隣地の所有者や、隣地が居住中であれば、お住まいになっている方にとっての損害が最も少ない日にち、時間、場所、方法などを選ぶ必要があります。
2023年民法改正により、越境した隣地植栽に対する所有者の権利が強化されました。これにより、手続きの煩雑さや費用の課題が軽減され、迅速な対応が可能になりました。植栽の越境をされている所有者は、改正の条件を確認し、適切な手続きを踏むことで、自らの利益を守ることができるようになりました。越境している側も、越境されている側もお互いしっかりと意思疎通を取りながら、円滑な解決に向けて対応することが大切です。