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自治体ではまずどこに空き家があるのか、具体的な情報を集める必要があります。そのうえで住民の自治組織や専門家と協力し、強制的な撤去に踏み切るか、再生・利活用の道はないかを検討することになります。

物件情報をまとめた「空き家バンク」をつくり、賃貸や売却を希望する所有者あるいは相続した人と使いたい人との橋渡しをしようという自治体も増えています。

これから高齢者は増え、特別養護老人ホームなどで老後を過ごす人が増えてくるでしょう。そうなると、元気な頃に暮らしていた持ち家や借家はいらなくなり、空き家として放置される可能性が高くなります。

家族構成の変化も空き家増に影響します。若年層の間では核家族化や単身世帯が増えています。親の世代が整えた住宅では広すぎて使いづらく、空き家になる物件がさらに増えてくるかもしれません。

戦後日本は一貫して持ち家信仰が強く、郊外で一戸建てやマンションを購入する人が多くいました。今は少子高齢化の進展で、より便利な都心へと回帰する動きが出てきました。東京でもかつてのニュータウンは寂れ、都心の超高層マンションに人気が集まっています。

リノベーションなどで築年数の長くなった家を手入れして、住もうとする人も出てきています。人が住めば、街も活性化します。きめ細かい取り組みの積み重ねが空き家解消につながるはずです。